ARTIST IN RESIDENCE
滝沢達史「3つの水」
神奈川県在住の美術作家、滝沢達史が7月下旬から美作市梶並地区に滞在し、地域に残る祭礼や生活様式に着想を得たインスタレーション作品を展示した。梶並地区の地域再生を手がけるNPO法人『山村エンタープライズ』と協働で改装した古民家「桝屋」にて、水をテーマとしたインスタレーション作品を展示するとともに、地域の食材を使った茶屋・レストラン、また山村の手仕事を中心としたギャラリーショップ「山村茶屋」を期間限定で営業、地元の産物でできる手づくりのワークショップを開催するなど、多岐にわたるイベントを山村エンタープライズとともに構想し実現した。
(入場者1,000名)
アーティスト・イン・レジデンス
茶屋&手仕事ギャラリー「山村茶屋」
H26.10.4(土)〜11.3(月)9:00〜17:00
金・土・日・月曜に開催
「桝屋」
インスタレーション「3つの水」
H26.10.4(土)〜11.3(月)9:00〜17:00
金・土・日・月曜に開催
「桝屋」
美作市梶並地区の古民家「桝屋」地下部分にある納屋を改装し、空間全体を使った作品展示を行った。梶並地区の歴史や文化を踏まえ、地区で開催される奇祭「梶並神社当人祭」と会期を合わせて開催した。
協力:NPO法人山村エンタープライズ、藤井裕也(山村シェアハウス)
●山村茶屋
「桝屋」1Fを改装し茶屋としてオープン。地元食材を使ったお茶漬け膳、ぜんざいなどを山村シェアハウスのメンバーが提供した。
●ギャラリー
地元の工芸作家を中心に織物、染め物、木工芸などの商品を陳列し、販売した。
●ワークショップ
織物、染め物、お香作りなど、地元の産物でできる手作りのワークショップを展開した。
10.11(土)お香づくり
10.19(日)草木染め
11. 2(日)さをり織り
●オープニング企画「山村ランチ」
イタリアンレストラン「ピアットノノ」シェフの野々上大介氏を招き、1日限定で地元食材を使ったジビエ料理を提供した。
10.5(日)11:00〜
神と娘
奥へ奥へと山に車を走らせる。道に沿う川がだんだんと細くなっていき、窓からは川のせせらぎが聞こえ、冷ややかな風が車内を通り抜ける。手入れの行き届いた畔が等高線に沿って並び、幾万とも知れぬカエルの合唱が谷を響鳴させる。夜道には反射板のような鹿の目が幾つも浮かび、魅惑的な白尻が闇を跳躍し、白銀の月がことのほか大きく谷あいの村を照らす。ぽっかりとした谷はさしたる特徴もなし、かつて日本の大部分を占めたであろう里山の風景が梶並という土地に残されている。ここに当人祭と呼ばれる奇祭があり、旅の案内人としてその歴史を辿ることにした。かつて神の代理として身体を預けた方を訪ね、その体験や目にした風景を空間へと移し替えてみた。また、建物の大家が娘だった頃に叱られて納屋に閉じ込められ、家の守り神である大きな蛇に恐れたという話を聞き、その暗闇を思い浮かべた。まだ日本に霊力が残されていた頃の風景に想いを馳せて空間を表現してみると、口を閉ざした家の柱からは八百万がまた現れるように気配がした。
滝沢達史
PROFILE
滝沢達史(TakizawaTatsushi)
1972年横浜生まれ。鋭敏な洞察力と豊富なヴィジョンを併せ持つ。
土地の記憶や場の特性を読み、様々な手法で制作を行っている。主な発表歴として、越後妻有アートトリエンナーレ(2009、2012年/新潟)、岡山芸術回廊(2012年/岡山後楽園ほか)、瀬戸内国際芸術祭(2013年/香川)など。
アート・ブリッヂ1301
主催:岡山県、アート・ブリッヂ1301実行委員会 共催:真庭市文化芸術祭実行委員会
レジデンス事業共催:真庭市、真庭市教育委員会、鏡野町、鏡野町教育委員会、美作市、美作市教育委員会、
勝央町、勝央町教育委員会
後援:山陽新聞社、朝日新聞岡山総局、毎日新聞岡山支局、読売新聞岡山支局、NHK岡山放送局、RSK山陽放送、
KSB瀬戸内海放送、OHK岡山放送、RNC西日本放送、TSCテレビせとうち、エフエム岡山、テレビ津山、
津山朝日新聞社、真庭タイムス
協力:開催地市町・市町教育委員会、おかやま県民文化祭実行委員会、NPO法人勝山・町並み委員会、作楽企画、
(公財)真庭エスパス文化振興財団、十字屋迎賓館、岡野屋旅館プロジェクト、奥津温泉花美人の里、
かがみのツーリズム研究会、山村エンタープライズ、アットタウン編集室・美作カルチャーカレッジ
助成:(公財)福武教育文化振興財団